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島原湾
【しまばらわん】


県西部に広がる湾入部。運輸省海上保安庁水路部発行の海図では,熊本・佐賀・長崎・福岡の4県にまたがる大きな湾入を島原湾と呼び,湾奥部の狭い所を有明海と称する。古い海図には島原海湾と記される。国土地理院発行の地図では,この大きな湾入部を2つに分け,北部を有明海,南部を島原湾と称するが,その境界は明瞭ではなく,便宜上,玉名郡長洲町の長洲港と長崎県南高来(みなみたかき)郡国見町の多比良(たいら)港を結ぶ線とすることが多い。その場合の島原湾は熊本県玉名郡長洲町・岱明(たいめい)町・横島町,玉名市,熊本市,宇土(うと)市,宇土郡三角(みすみ)町,天草郡大矢野町・松島町・有明町・五和(いつわ)町,本渡市および長崎県南高来郡・島原市に囲まれた湾となる。通常地図に島原湾と記された地域を,周辺の住民は有明海と呼ぶことが多い。島原湾は早崎瀬戸(幅約4.5km)を経て天草灘に,また本渡瀬戸(幅120~150m),柳ノ瀬戸(幅約1km),三角ノ瀬戸(幅約150m)で八代(やつしろ)海(不知火海)に通じる。この大きな湾入部を,長洲~多比良を結ぶ湾奥部,長洲~多比良と大崎鼻(長崎県布津町)~三角との間を湾央部,大崎鼻~三角と早崎瀬戸間を湾口部とすると,湾央部と湾口部が島原湾にあたり,湾奥部は有明海になる。2月と8月の水温は,湾央部は8~9℃・26~28℃,湾口部は12~13℃・25~26℃。塩分は湾央部6~7月29%,9~2月32.5%,湾口部1~5月32.5~34.0%,7月31.5%。透明度は湾央部1月2~6m,7月2~3m,湾口部1~3月10m,7~9月5~6m。湾央部では砂干潟が卓越し,緑川河口域の一部に泥干潟があり,最大幅は4.5km。湾口部では天草沿岸に小規模の泥干潟と砂干潟がある。湾央部の水域面積600km(^2),砂干潟52km(^2),水深40m前後で,西側が深く東側が浅い。底質は東側で細砂質,西側では粗砂。湾口部の水域面積400km(^2),泥干潟2km(^2),砂干潟10km(^2),水深50m前後で,岩盤の露出した海底もある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7225506