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竹田盆地
【たけたぼんち】


竹田市・久住町の大部分を占める盆地。阿蘇火山の東側山腹斜面は北方の久住(くじゆう)火山群,南方の祖母(そぼ)山地,東方の鎧ケ岳(よろいがたけ)山地とともに竹田盆地を形成し,盆地底に旧城下町の竹田の市街地がある。標高約230m。盆地内は阿蘇溶結凝灰岩・火山灰におおわれ,これを芹(せり)川・稲葉川・玉来(たまらい)川など,大分川・大野川水系諸河川が浸食して,狭長な谷底平野に隔てられた多くの小台地面は定高性を有する。このため周辺から竹田市街に入る道にはトンネルがあり,竹田はレンコン街の名を有する。西部の菅生(すごう)・荻(おぎ)・柏原(かしわばる)地域はあまり開析されず,台地面が広く発達している。岡藩時代以来,水利事業が進み,台地面も水田化され,棚田も多い。さらに大規模開発計画が進められ,大野川上流国営土地改良事業が昭和53年度採択され,主水源となる熊本県産山(うぶやま)村の大藪(おおやぶ)ダムについても地元の協力が得られる見込みである。「和名抄」柏原・三宅(みやけ)・直入(なおり)3郷の地域にほぼあたる。稲葉川・玉来川の合流するところに岡城跡があり,西麓に城下町があった。岡城は寿永4年緒方氏が築城したと伝えるが確証はなく,のち大友氏の支族志賀氏が受けつぎ,文禄2年中川氏が移封され,明治維新まで続いた。明治10年西南の役で市街地の大部分は焼失したが,その後復興。大正12年国鉄豊肥本線が大分より開通し,昭和3年さらに熊本まで全通した。同46年国道57号も整備された。このほか7本の主要地方道・一般県道が周辺へ放射し,竹田は大野川上流域の経済の中心となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7231531