浦内湾
【うらうちわん】

薩摩郡上甑(かみこしき)村にある湾。上甑島の南西岸に位置する。下甑島の垂直的肢節に対し，水平的肢節に富んだ海岸の一部。湾奥まで４kmの瀬上と桑之浦の両支湾に分かれる。波静かな湾内を利用した真珠養殖がある。昭和22年，近くの海鼠池に産するヒメコ蝶貝を母貝とする試験養殖を開始，のち黒蝶貝，最近では高知産のアコヤガイを購入し，地元で核入れし，壱岐島にて水揚げされる。経営は県外資本３，地元資本１の４経営体による。また湾内に百貫島という小岩礁があり，陸続きになっているが，満潮時には小島のように見える。かつてオランダ船が来航し，土地のものから100貫で購入したことからこの名がある。一説には，その船が金塊100貫を隠した所だとのいい伝えもある。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7236743