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柴引
【しばひき】


旧国名:薩摩

出水(いずみ)台地中央部,高尾野川中流の西部に位置し,南部は紫尾山系の山岳が連なる。地名の由来は,紫尾神社の祭祀用の柴をこの地より引いたことによる,あるいは,同社の祀場(しば)(祭礼を司る氏子の住む地域)によるなど諸説がある。紫尾神社はもと紫美神と称し,最初の社祠は薩摩国の最高峰紫尾山の山頂近くにあった,これを上宮と呼び,宮址は出水市域にある。この上宮を麓の高尾野町域と,薩摩郡鶴田町域に分祀し,高尾野を紫尾権現社,鶴田を紫尾山三所権現または下宮という。「三代実録」貞観10年3月29日条に「授薩摩国正六位上紫美神従五位下」とあるのが紫美神の初見。これより前,貞観8年4月7日条に紫美神に従五位下を授けるとあるのは鶴田紫美神に対するものである。
しはひき(中世)】 室町期から見える地名。
柴引村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
柴引(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7237754