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矢頭山
【やずさん】


一志(いちし)郡一志町と美杉村の境界にある山。標高730.8m。文武天皇の頃役小角が開いた霊山。晴天の日,小角が天の一方を眺めているとにわかに2本の白羽の矢が飛来し,山の峰をかすめて麓の里に降下した。それ以後小角はこの山を矢頭山と称し尊崇したという伝説がある(波瀬のすがた)。山頂には蔵王権現を祀る祠がある。地質は領家変成岩からなる。山の南斜面は美杉村下之川地区の所有,北斜面は一志町波瀬地区の所有で,共に公有林として明治期以後計画造林を実施したためスギ・ヒノキの良材に富む。北斜面の中腹に県天然記念物矢頭の大杉,式内社波氐神社奥社とキャンプ場がある。山頂は4つの峰があり,伊勢平野が一望できる。矢頭峠から登山道がある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7604475