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IMF
【あいえむえふ】


International Monetary Fund

国際通貨基金。第二次世界大戦末期の1944年7月、米国のニューハンプシャー州ブレトンウッズで、連合国44ヵ国により戦後の世界経済の枠組みを決める会議が開催された。その結果、為替レートを安定させて自由貿易を発展させるため、国際的な通貨体制を管理する機関としてIMFの設立が決定。その約1年半後の1945年12月に29ヵ国の加盟でスタートし、2009年8月現在、加盟国は186ヵ国まで増加している。IMFの主要業務は以下の3つである。&wc1;各国の経済・金融情勢をモニターし、加盟国に経済政策に関する提言を実施(サーベイランス)、&wc2;外貨を融資することで、国際収支の改善に向けた経済政策を支援、&wc3;専門的な技術支援や、政府や中央銀行職員を対象とした研修を実施。&wc1;では、世界経済見通しの作成や、加盟国の経済動向および経済政策に対する分析を行い、必要に応じて提言を行うことで、経済危機を事前に防ぐ努力をしている。&wc2;では、加盟国が危機に直面した場合などに金融支援を行うことで資金繰りの手助けをする。
IMFの融資には、短期的な国際収支の問題に対処するために用いられるスタンドバイ取極、短期では解決しそうにない構造的な問題によって国際収支が悪化している国への拡大信用供与、低所得国向けの貧困削減・成長ファシリティなどがある。&wc3;では、財政・金融政策、為替政策、銀行・金融システムの監督・規制など、複数の分野で技術支援等を実施する。
IMFの財源は、各国が加盟時に支払うクォータと呼ばれる出資金が中心である。クォータは各国の経済規模を反映して決定されており、規模が大きいほど支払い額も大きくなる。クォータはIMFの意思決定に関わる議決権を決定したり、SDRの配分やIMFによる融資枠を決める基準にもなる。最近では、新興国市場がIMFでの発言権拡大を求めて、制度改革を求める声が強まっている。IMFは必要な場合に、加盟国から資金を調達することができる。実際、リーマン・ショック後の金融危機で各国への融資が拡大したことから融資資金が不足したため、日本政府はIMFに1000億ドルの出資を実施した。最近では、IMFの資金調達方法を多様化する動きが出てきており、2009年5月にはIMF債の発行を発表、ドル以外の外貨準備運用資産として世界で注目が集まっている。
【参照キーワード】

SDR
リーマン・ショック




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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