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管財人
【かんざいにん】


Trustee(in Bankruptcy)

法的倒産処理手続において、裁判所から選任され、債務者における業務の遂行ないし財産の管理・処分を行う権限が専属する者のこと。管財人は、善良な管理者の注意をもってその職務を行わなければならず、これに違反した場合には、利害関係人に対する損害賠償責任が発生する。また、管財人は裁判所の監督を受ける。
破産管財人は、破産手続開始の決定と同時に、裁判所から選任される(破産法第31条第1項)。ただし、破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認められる場合には、開始決定と同時に破産手続廃止決定がされ(破産法第216条第1項)、このときには破産管財人も選任されない。破産管財人は、更生管財人や民事再生における管財人と異なり、事業の再生を職務内容とせず、主として、破産財団の管理・換価、破産債権の調査・確定、配当を実施する。
更生管財人は、更生手続開始の決定と同時に、裁判所から選任される(会社更生法第42条第1項、第67条第1項)。更生管財人の権限は、破産管財人と異なり、更生会社における財産の管理処分のみならず、その継続事業価値の維持および増殖ならびに更生会社の組織形態の変更も含まれ、事業の経営権も更生管財人に帰属する。そのため、更生計画案の策定など主として法的側面を担当する法律管財人と主に経営に属する事項を担当する事業(経営)管財人の2種類の管財人が置かれることもある。
民事再生手続においては、基本的に、管財人は選任されず、再生債務者自身が主体となって再生手続を遂行するものとされている。もっとも、例外的に、法人である再生債務者につき、再生債務者の財産の管理または処分が失当であるなど、再生債務者の事業の再生のために特に必要があるときには、裁判所が、再生債務者の業務および財産に関し、管財人による管理を命ずる処分(管理命令)を行う(民事再生法第64条)。これにより、民事再生における管財人が選任され、再生債務者の業務遂行権限および財産の管理処分権限は管財人に移される(民事再生法第66条)。民事再生における管財人は、主として、再生債務者の業務の遂行や財産の管理・処分、再生債権の調査・確定、再生計画案の提出等の再生手続の遂行を行う。




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「日経ビジネス 経済・経営用語辞典」
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