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焼肉 スタミナ苑
【やきにく スタミナえん】


ひたすら「味」で客を集める店

焼肉 スタミナ苑

最寄り駅からタクシーでしっかり10分、周辺にはほかに店らしい店もなく、お世辞にも何もおしゃれとかキレイとかはいえない店なのに、毎日のように客が長蛇の列を作るのは、ひとえに「東京一」と評された焼肉に惹かれてのことだ。

現在地に店を開いて35年余。主人の豊島雅信さんは「こんな田舎まで食べに来てくれるんだから、いいものを出さなきゃ」「いい肉は金さえ出せば手に入る。でも内臓は基本的に値段が決まっているから、よし悪しの判断で頼れるのは自分だけ」と語るとおり、常に五感を集中して品質を見極めてきた。レバーなど、まるごと1頭分をがっしと抱えて顔を押しつけ、また埋めるようにして色や匂い、肉質を確かめる。そこまでして選んだ最良のレバーでも「お客に出せるのは半分かな」という。

目の前のロースターに並ぶのは、その豊島さんが選りすぐったモツ界のエリートたち。ふっくら豊か、かつすがすがしいとさえ感じられる味は比類なく、なぜかしんしんと心にしみる。




東京書籍
「東京5つ星の肉料理」
JLogosID : 14070859