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コロンブス?
【ころんぶす】


インドと西インド諸島を間違えた原因は?

一四九二年インドをめざしたコロンブスがたどりついたのは、アジアではなく現在のアメリカ大陸真ん中にある西インド諸島だった。彼はこの場所を死ぬまでアジアだと信じたという。なぜコロンブスインドへたどりつけなかったのか。その理由は「経度」にあった。コロンブスは「緯度」を頼り大海原進んでいたと考えられている。実際、彼がめざしたインドと、たどりついた西インド諸島は、緯度上ではほぼ同一線上に並んでいる。経度確認すればそこがインドではないことがわかったはずなのだが、コロンブスらが活躍した大航海時代には、正確に経度求める方法確立されていなかったようだ。スペインでは一五九八年に、イギリスでは一七一四年に、経度正確に測定する方法発見したものに賞金出すというお触れが出されているが、いずれの賞金もかなりの高額だったという。なぜ各国は、そこまでして経度正確に測定する必要に迫られていたのだろうか。当時ヨーロッパ各国アフリカアジアなどに植民地持ちはじめ、それらの国々から様々な品々を手にし、交易によって国力をつけつつあった。それらの品々は海を渡ってやってくるわけだが、経度正しく測定できない当時航海では、船の位置を誤認することによって起こる事故がつきなかったという。商船難破してしまうと、人命だけでなく大事交易品までもが失われてしまうことになり、これは各国にとって深刻な問題となっていたのだ。そのために、船の事故防ぐこと、ひいてはより国力増すためにも、経度正確に測定することが求められたのである。実際経度正確に測定されるようになったのは一七〇〇年代に入ってからだった。問題は、経度知るために欠かせない時計の精度だったのだが、これを解決したのがイギリス時計技師ジョンハリソンだ。彼は気温変化船のゆれにも耐え、常に高い精度で時を刻む時計、つまり経度測定可能なほどの精度を持った航海用の機械時計を初めて製作した。一七七三年には、彼の時計の誤差一日あたり一四分の一秒しかないことが立証され、八七五〇ポンド賞金を手にしたといわれている。




東京書籍
「雑学大全2」
JLogosID : 14820332