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ロケット基地
【ろけっときち】


打ち上げは、「重力の少ない」フランス領ギアナから

欧州宇宙機関ESA)は、ヨーロッパの一五カ国が参加する宇宙開発研究機関である。本部フランスにあり、フランス国立宇宙センター中心となっている。しかし、彼らロケット打ち上げるのは、ヨーロッパではなく、南米にあるフランス領ギアナギアナ宇宙センターだ。なぜヨーロッパから何千キロ離れた地で打ち上げる必要があるのだろうか。理由一つ重力である。実はロケット打ち上げる際に看過できないのが重力単純に考えても、空に向かって発射されるということは、重力にさからった運動であることがわかる。そのため、できるだけ重力少ないところから打ち上げたほうが、燃料節約できるなど、効率がいいということになるのだ。地球上の重力は、遠心力により、北極南極でいちばん大きくなり、赤道でいちばん小さくなる。つまり低緯度になればなるほど小さくなるということだ。ギアナ宇宙センターは、赤道の北約五〇〇キロ北緯五度三分低緯度位置する赤道から遠く離れヨーロッパ各国にとっては、格好打ち上げ場所なのである。ESA以外を見ても、アメリカ航空宇宙局NASA)のケネディ宇宙センターアメリカ最南端に位置する州の一つフロリダ州にあり、日本の宇宙航空研究開発機構JAXA)の発射場は種子島宇宙センターと、いずれも自国領土内で、できるだけ低緯度設けられていることがわかる。一九九七(平成九)年には、ロケットをより効率的打ち上げるべく、アメリカロシア合弁企業であるシーローンチ社が、地球上で最も重力少ない場所である赤道ロケット発射台設置した。海底油田掘削用のプラットフォーム改造したもので、長さ約一三五メートル、幅約六八メートル。二〇〇三(平成一五)年には、実際にここから通衛星打ち上げ成功したという。




東京書籍
「雑学大全2」
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