シミュレーショニズム

simulationism
1980年代に、成熟する米国の大量消費文化の中で、オリジナルよりもコピーとしての複製品に、より強い現実感を求める社会的な動向をとらえて誕生した考え方。フランスの批評家ジャン・ボードリヤールなどが唱えた、あらゆるものを記号化されたシミュラクル(擬態)ととらえる考え方などに触発された。一般的には、メディアで使い古された映像や有名な絵画作品などから、イメージを意識的にアプロプリエーション(盗用)するなどした美術運動。切り刻むという意味のカットアップや、同一表現を反復するリミックス、既存イメージを流用するサンプリングなどの手法を駆使した作品が生まれた。映画のような一場面を自ら演じて撮影したシンディー・シャーマンや、ネオ・ジオメトリック・コンセプチュアリズム(新幾何学概念主義)を略したネオ・ジオのグループのピーター・ハリーやジェフ・クーンズらも含まれる。日本では美術評論家の椹木野衣(さわらぎ・のい)が『シミュレーショニズム』(91年)を著して、若い美術家に影響を与えた。

![]() | 朝日新聞社 「知恵蔵2009」 JLogosID : 14849382 |




