監査法人の再編
【カンサホウジンノサイヘン】

2006年の株式総会では、従来なかったことが話題になった。それは「来年からどこに監査を任せるか」である。
05年に相次いで発覚した有価証券報告書への虚偽記載問題など一連の事件により、日本の監査法人が実は十分には機能していなかったことが明るみに出た。06年5月12日には資生堂、6月28日にはソニー、旭化成が、中央青山監査法人(06年9月より「みすず監査法人」へ名称変更)から他の監査法人への変更を決めた。
中央青山監査法人は、事実上破綻していたカネボウの虚偽の財務報告を所属会計士3人が意図的に認めていたこと、社内の審査部門による再チェックを行わなかったためそれを発見できなかったことの責任を問われ、金融庁から06年7月より2カ月間の業務停止処分を受けた。さらに同庁は、中央青山、あずさ、新日本、トーマツの4大監査法人へ、公認会計士・監査審査会による立ち入り検査を行い、4法人すべてに業務改善指示を出した。
米国の大手会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は06年6月、日本に「あらた監査法人」を新設。前述のソニー、旭化成は同監査法人への監査契約変更を発表した。中央青山監査法人から他法人に監査を変更する上場企業は3割近くにのぼると見られる。さらにこうした顧客契約の移動に加え、中央青山監査法人からあらた監査法人へ公認会計士も多数移籍した。これを機にさらなる業界再編の起こる可能性もある。

![]() | 朝日新聞社 「知恵蔵2009」 JLogosID : 4391629 |




