えも言はず
【え-も-いは・ず】

え-も-いは・ず【えも言はず】(―イワズ)((副詞「え」+係助詞「も」+動詞「いふ」の未然形+打消の助動詞「ず」。とても言葉に言い表すことができない意))[1](程度がはなはだしくて)なんとも言いようがないほどだ。
[例]「えもいはず大きなる石の四方(よほう)なる中に」〈更級〉
[訳]「なんとも言いようがないほど大きい石で、四角形のものの中に」
[2]言葉では言い表せないほどすばらしい。
[例]「桜の直衣(なほし)のいみじくはなばなと、裏のつやなど、えもいはずきよらなるに」〈枕草子・かへる年の二月二十日よ日〉
[訳]「桜襲(さくらがさね)の直衣がたいへんあでやかで、裏地のつやなども、言葉では言い表せないほどすばらしく美しいのにさらに」
[3]言いようもないほどひどい。
[例]「大路(おほち)をよろぼひゆきて、築土(ついひぢ)・門(かど)の下などに向きて、えもいはぬ事どもし散らし」〈徒然・一七五〉
[訳]「(酔っぱらって)大通りをよろよろしながら行って、土塀や門の下などに向かって、言いようもないほどひどいことの数々をやり放題にして」

![]() | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5071377 |




