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もて成す
【もて-な・す】


[他][サ四]さ/し/す/す/せ/せ

《処理》執り行う。処理する。→[1]
《ふるまい》ふるまう。ふりをする。→[2]
《世話》世話をする。待遇する。→[3]
《優遇》優遇する。もてはやす。→[4]
《歓待》ごちそうする。歓待する。→[5]
「もて」は「持ちて」の意の語の接頭語化。中世以降、[5]の意味がほとんど。現代語でもこの意が多い。行為する対象で意味が分かれ、[1][4]は事物に多く用い、[2]は自分自身、[3]は他人が対象の場合に用いる。


[1]執り行う。処理する。
[例]「世の覚えはなやかなる御方々にもいたう劣らず、何事の儀式をももてなし給ひけれど」〈源氏・桐壺〉
[訳]「(桐壺(きりつぼ)の更衣(こうい)の母親は)世間の評判が時めいているお方たちに対してもひけをとらないように、どんな儀式も執り行いなさったけれど」
[2]ふるまう。ふりをする。
[例]「心に知れらむことをも知らず顔にもてなし」〈源氏・帚木〉
[訳]「心の中では知っているようなことも知らないようすにふるまって」
[3]世話をする。待遇する。
[例]「この人のたづきなしと思ひたるをもてなし助けつつさぶらはす」〈源氏・夕顔〉
[訳]「この人(=右近)がよりどころがないと思っているので、(惟光(これみつ)が)世話をし援助をしながら(光源氏のもとに)お仕えさせる」
[4]優遇する。もてはやす。愛玩(あいがん)する。
[例]「梨の花、よにすさまじきものにして、ちかうもてなさず」〈枕草子・木の花は〉
[訳]「梨の花は、このうえなく興ざめなものとして、あまりに身近にもてはやさない」
[5]ごちそうする。饗応する。歓待する。
[例]「日ごろとどめて、長途(ちゃうど)のいたはり、さまざまにもてなし侍る」〈奥の細道・尾花沢〉
[訳]「何日も引き止めて、長い旅の慰労として、(われわれを)いろいろと歓待してくれます」




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5080210