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重し
【おも・し】


[形][ク](く)・から/く・かり/し/き・かる/けれ/かれ


[1]目方が多い。重い。重量がある。
[例]「日ごろはなにともおぼえぬ鎧(よろひ)が今日はおもうなったるぞや」〈平家・九・木曾最期〉
[訳]「いつもはなんとも思われない鎧が、きょうは重くなっていることだ」
<参考>用例中の「おもう」は連用形「おもく」のウ音便。
[2](地位・評価などが)高い。尊い。重要だ。価値がある。
[例]「ゆめにもかかる人の親にておもき位と見え給はず。若うなまめかしき御様なり」〈源氏・若菜・上〉
[訳]「全然このような人の親で高い位(にある方)とは見えなさらない。若々しくてみずみずしいごようすだ」
[3]程度が並はずれている。重い。重大だ。ひどい。
[例]「ここにおはするかぐや姫は、おもき病(やまひ)をし給へば、えいでおはしますまじ」〈竹取・かぐや姫の昇天〉
[訳]「ここにいらっしゃるかぐや姫は、重い病気にかかっておられるので、きっと(外に)出ていらっしゃることはできないだろう」
[4]落ち着いている。どっしりしている。重々しい。
[例]「おほどきて、もの深くおもきかたはおくれて」〈源氏・夕顔〉
[訳]「(夕顔は)おっとりしていて、思慮深く重々しいといったところは乏しく」
[対][1]~[4]軽(かろ)し




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5082750