竜頭鷁首
【りょうとう-げきしゅ】

[名]
((「りょうとうげきす」「りゅうとうげきしゅ」「りゅうとうげきす」ともいう))平安時代、貴人が乗った二隻一対(つい)の船。宴会などのときに、池や川に浮かべて船遊びをしたり、楽人(がくにん)を乗せて演奏させたりした。一方の船首には竜の頭、もう一方の船首には鷁(=鷺(さぎ)に似た想像上の水鳥)の頭の装飾がある。竜は水を支配し、鷁は風にたえて速く飛ぶといわれるところから、これらは水難にあわないことを祈ってつけたものといわれる。
[例]「りょうとうげきしゅを、唐(から)の装(よそ)ひにことことしうしつらひて」〈源氏・胡蝶〉
[訳]「竜頭鷁首を、中国風の装飾で仰々しく飾りつけて」→ふながく

![]() | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5083228 |