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たら・む
【たら・む】


((完了の助動詞「たり」の未然形+推量の助動詞「む」))[1]〔「む」が推量の場合〕…ているだろう。
[例]「おのづからもの言ひ漏らしつべき眷属(けぞく)もたち交じりたらむ」〈源氏・夕顔〉
[訳]「自然に何か言って口外してしまいそうな親族もまじっているだろう


[2]〔「む」が意志の場合〕…ていよう。
[例]「この障子口(さうじぐち)にまろは寝たらむ」〈源氏・空蝉〉
[訳]「この襖(ふすま)障子の出入り口に私は寝ていよう
[3]〔「む」が婉曲の場合〕…たような。…ているような。
[例]「人は、かたち・ありさまのすぐれたらんこそ、あらまほしかるべけれ」〈徒然・一〉
[訳]「人は、顔立ちや容姿のすぐれているようなのが、理想的だろう」
[4]〔「む」が仮定の場合〕…たとしたら。…たとして。
[例]「おればかりのおほやけ人を、我が打ちたらんに、何事のあるべきぞ」〈宇治拾遺・一〇・一〉
[訳]「おまえ程度の官人を、私がたたいたとしても、何事があろうか」




東京書籍
「全訳古語辞典」
JLogosID : 5087540