ほだし
【ほだし】

[名]
((動詞「ほだす」の連用形の名詞化))[1]馬の足にからませて歩けないようにする綱。また、人の手足にはめて自由を奪う道具。手かせ・足かせなど。「絆(ふもだし)」
[例]「弟(おとと)の弥若(いやわか)はほだしの足に抱(いだ)きつき」〈近松・出世景清・四〉
[訳]「弟の弥若は足かせ(をつけられた父)の足に抱きついて」
[2]人を束縛するもの。何かをするのに障害となるもの。
[例]「なべてほだし多かる人の、万(よろづ)にへつらひ、望み深きを見て、無下(むげ)に思ひくたすは僻事(ひがこと)なり」〈徒然・一四二〉
[訳]「おしなべて束縛するもの(=面倒をみなければならない妻子など)の多い人が、何事にも人にへつらい、欲が深いのを見て、むやみに軽蔑するのは間違いだ」

![]() | 東京書籍 「全訳古語辞典」 JLogosID : 5094695 |