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ピースサインと原爆の関係


カメラを向けられると、なぜかVサインを出してしまいますよね。このVサイン、もともとは Victory(ビクトリー) のV、つまり勝利をあらわすサインだったのですが、なぜそれがピースサインといわれるようになったのでしょうか。
初めてVサインを出した人は誰かという答えには諸説ありますが、第二次世界大戦時のイギリスの首相ウィンストン・チャーチルは、人前でVサインを出すのが得意でした。
一九四五年八月。米軍機が日本に原爆を投下したとの一報を受けたチャーチルは、いつものように記者団に向かって得意のVサインを出しました。
「勝利のVサインですね」と聞いた記者に向かって、チャーチルはこう言いました。
「いや、これは平和(peace(ピース))のサインだ」
「なぜそれが平和のサインなんですか?」
「世界の平和は、この二つ。広島と長崎に落とされた原爆によってもたらされるからだ」
つまり、チャーチルが出したピースサインの二本の指は広島と長崎を指していたのです。
日本人がはじめてピースサインを見たのは、第二次世界大戦終結後、GHQ司令官として赴任したダグラス・マッカーサーが示したときだといわれています。ただし、このときにマッカーサーが指し示していたのは原爆ではなく勝利だったと思われます。
ちなみに、日本人が写真撮影時にピースサインをするようになったのは、テレビコマーシャルでタレントの井上順がピースサインをしてからといわれています。
世界広しといえども、カメラを向けられるとピースサインをしてしまうのは日本人だけのようです。国によってはとんでもない意味が隠されている場合もありますので、海外ではあまり不用意にはやらないほうがよろしいかと……。




角川学芸出版
「無敵の雑学」
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