100辞書・辞典一括検索

JLogos

44

愛山
【あいざん】


(近代)昭和15年~現在の行政字名。はじめ愛別村,昭和36年からは愛別町の行政字。もとは愛別村の一部,アンタロマ(安足間)など。江戸期にはアンダロマ・アンダラマと称したが住人はなかった。安足間の地名は,アイヌ語のアンタロマプ(淵のある川の意)に由来する(アイヌ語地名解)。明治30年長谷農場・松尾農場などへ富山・山形・愛知・岐阜から59戸入植。明治期~大正初期まで安足間19線に渡船場を造り,中央地区と往来した。当地は地味肥沃で農業に適しており,当初アワ・トウキビ・ソバ・ウンダイなどを栽培,墾整期に入り燕麦・ハダカムギ・オオムギ・コムギ・トウモロコシ・ダイズ・アズキ・アオエンドウ・バレイショ・亜麻・ハッカなどを作付けした。特用作物を多く栽培する投機的な運営形態であったが,明治末期から稲作に漸次移行,大正14~15年には水田200ha,2,000石(3,600kℓ)以上の収穫に達し,平坦部の大半が水田化。さらに昭和46年から圃場整備事業が推進され水田が大型化。また構造改善事業により養豚団地を設営。大正12年国鉄石北線開通,安足間駅開設に伴い駅前に市街地を形成。同14年石狩川第1発電所(愛別発電所)設置。昭和39年国道39号が地内中央部を貫通。道有林,上川町の森林資源を背景に造材業が発展したが,同45年を境に規模縮小,企業統廃合が行われている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7000023