浦士別川
【うらしべつがわ】

網走市と網走地方小清水町を流れる２級河川。流路延長36.9km，流域面積187.5km(^2)。藻琴山（999.6m）に発し，北流して濤沸湖南東隅の浦士別湾に注ぐ。濤沸湖に注ぐ河川の中では最大で，中流で東からポンヤンペツ川・イチヤノパオマナイ川・イボナ川が合流する。河川名は「北海道の地名」では，ウライウペッ（簗がある川の意）に由来し，ウラユシペツまたはウラヤシベツと呼ばれたことによるとする。更科源蔵の「アイヌ語地名解」によると，付近にはウラシペツウンクルという有名なアイヌ首長がおり，その首長のいた村がこの川岸にあったためとする。松浦武四郎の「十勝日誌」にもウラシベツ（小川）とみえる。中・下流域には５段の河岸段丘が発達し，沖積地も広く，牧場として利用されている。濤沸湖に注ぐ付近は湿地が広がり沼も分布，濤沸湖北岸には砂丘が発達し，原生花園として有名である。一帯は濤沸湖，藻琴湖など湖沼地帯をなし，河川は浦士別川に並行して北流するものが多い。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7000945