オホーツク海
【おほーつくかい】

北海道とサハリンで日本海,千島列島とカムチャツカ半島で太平洋と区切られる海域。北太平洋の沿海の1つ。面積は152.8万km(^2)で日本海の1.5倍,ベーリング海の0.67倍,東シナ海の1.2倍に及ぶ。水深は最深3,372m(千島海盆),平均838m(理科年表),200m以浅の大陸棚は全面積の約50%を占める。表面水温は夏,カムチャツカ側がやや高く(8~12℃),サハリン側はそれから1~2℃低く,塩分もカムチャツカ側で32~33%,サハリン側が25~27%とサハリン側が低いのは淡水の流入量と関係がある。海流は左還流して太平洋へ出て,ベーリング海流と合して親潮(千島海流)となって南下する。冬季気温が低下し,海水も冷却され,塩分の少ない西岸は,11月から結氷が始まり,2月に最大となり,一部は道北部から知床半島の海を閉ざす。さらに流氷が南下すると,根室半島から釧路に及ぶ。初夏から盛夏にかけてオホーツク海に中心をもつ海洋性寒帯気団のオホーツク海気団は年によって変動するが,一度高気圧が現れて,10日以上も高圧部が維持されると,冷たい北東気流となって北海道・下北半島・三陸にまで流れ込む。これを「やませ」と呼び,日照不足と低温による冷害の原因となる。寒流と大陸棚は好漁場を形成し,サケ・マス・タラ・ホッケ・ニシン・タラバガニ・エビ・ホタテ貝・コンブ,海獣ではオットセイ・クジラ・アザラシなど漁業資源の宝庫となっている。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7001661 |