喜茂別川
【きもべつがわ】

後志(しりべし)地方喜茂別町を流れる１級河川。尻別川水系の支流。流路延長21.6km，流域面積90.6km(^2)。札幌市南区と喜茂別町の境界をなす喜茂別岳（1,177m）の南東山麓に水源を有し，西流して喜茂別市街で尻別川に合流する。源流部は，エゾマツ・トドマツにダケカンバの混じった典型的な上部針広混交林中を下刻しながら流れるが，中流部の喜茂別町栄地区あたりからは幅数百ｍの沖積地が広がる。表土は羊蹄(ようてい)山（1,893.0m）の火山灰土壌で，アスパラガス・馬鈴薯・豆類などの畑作地域になっている。中流部には，明治37年日鉄上喜茂別鉱山が開業し，鉄鉱石を産出した。川筋に沿って国道230号が走り札幌と洞爺湖を結ぶ重要な観光ルートになっている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7002579