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知人礁
【しれとしょう】


釧路市米町の海岸にある礁。広くは知人岬の一部で,太平洋に向かって突き出す幅45cmの2条の砂岩脈(サンドストンダイク)を指す。「弁天ぞい」「弁ざい」とも称される。アイヌ語で「カムイルイカ」とも「ジャンガンビ」ともいわれ,アイヌ伝説にも登場する。砂岩脈は,国内には約10地域,1,000本あるが,特に和歌山県の田辺湾の白浜温泉や愛知県知多半島などとともに知られる。当地の砂岩脈は,釧路市東部の地塊構造地帯に集中し,他に春採2条(春採太郎・次郎と命名。昭和51年市天然記念物),興津6条,春採湖東北岸3条,武佐入口2条が地上から確認されている。規模は大半が幅1m以下であるが,春採太郎は幅4.4m,延長数km,上下方向300mで,全国一。どの砂岩脈も一定方向に走り,その成因は,浦幌層群の厚い層が堆積した頃,知人岬から上尾幌へほぼ東西方向を軸に,緩やかに隆起する背斜構造(春採半ドーム)を形成する過程で平行な割れ目が無数にでき,この割れ目に固結しない砂が上から充填して生成された。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7004196