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測量山
【そくりょうざん】


室蘭市南西部絵鞆(えとも)半島にある山。標高200m。山名は,明治5年札幌本道開設の際,道路測量長ワーフィールドが地形の一望できるこの山に,三角測量の基点を定め測量したことに由来する。「室蘭市のアイヌ語地名」によれば,ホシケサンペ(先に出てくる者の意)といい,松浦武四郎の「東蝦夷日誌」によれば「沖へ漁に行帰る時に此山を見始る故針を立たる如しと云山也」とある。山体は絵鞆半島に岩脈として貫入した玄武岩質安山岩が浸食に抗して突出したもの。ナラを主とした天然の広葉樹林が広がり,エゾフクロウ・ヤマゲラなど数多くの野鳥が生息する。第2次大戦前は高射砲が設置され軍用地であったが,戦後観光道路も整備され,西斜面の唐松平は公園施設が整い,市民のレクリエーションの場として親しまれる。山頂にはテレビ塔が林立し,直下に室蘭の工場群と港湾,遠く羊蹄(ようてい)山・有珠山や噴火湾を挟んで駒ケ岳から太平洋まで360度のパノラマが展開し,観光室蘭のシンボルとなっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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