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旅来チャシ
【たびこらいちゃし】


十勝地方豊頃町字旅来に所在する丘頂式のチャシ跡。1チャシ・2チャシがある。十勝川右岸から十勝川に舌状に突出する標高40m,比高30mの丘陵先端頂部に約40mの間隔で立地する。1チャシは,開口部を丘陵先端に向けるコの字状の壕を2条持ち,内壕は幅約4m,深さ2~6m,外壕は複雑で,幅・深さともに内壕よりも小さい。2チャシは1チャシから尾根続きの西に約40mにあり,幅2~4m,深さ約1mの周壕を持つ。以前には2基一体のものとして旅来砦跡と呼ばれたが,後に分割登録された。当チャシからは十勝川の上・下流をはるかに見通すことができる。かつて日高アイヌが大挙して十勝に侵入し,十勝川の右岸約2km下流のカンカンピラチャシに拠った時,十勝アイヌは当チャシに拠って迎え撃って大勝を博し,以来日高アイヌは十勝をうかがうことをしなくなったという(北海道史付録地図)。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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