勝岳院
【しょうがくいん】

弘前市西茂森町1丁目にある寺。曹洞宗。山号は石神山。本尊は釈迦牟尼仏。禅林街三十三か寺の1つ。長勝寺並寺院開山世代調(長勝寺蔵)によれば,天正14年床前村(西津軽郡森田村)に,庭叟守洞を開山として創建された。曹洞宗諸寺院縁起志(弘前図書館蔵)も同様の記載があり,慶長年間には弘前城下へ移ったとある。寺伝では,開基を弘前藩祖の津軽為信の三老の1人,小笠原伊勢の家臣波多野勘解由とし,開山を関応和尚とするが,実際の堂宇建立は2世の庭叟が行ったという。前記の縁起志に,当寺鎮守の八幡宮の神体が石であったことが山号の由来とする。本堂安置の「おびんずるさま」は,除災の撫で仏として知られ,賓頭盧尊者と記される十六羅漢の1人で,元禄年間ごろに大館村(西津軽郡森田村)を開いた鳴海新兵衛が寄進したもの。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7011291 |