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鯛島
【たいじま】


下北郡脇野沢村の牛ノ首岬南方約750mにある島。周囲約500m,面積3.6ha。大小2つの小島からなる。島名は,その形が尾を立てた鯉に似ていることにちなむ。また,弁財天の小祠のあることから弁天島ともいわれる。延暦年間,坂上田村麻呂がこの地に一時留まり,仕えた蝦夷首長の娘が田村麻呂の子を宿し1男2女の三つ子を生んだ。田村麻呂は娘を捨てて去ったので娘は後を慕いついに狂死した。その後海上で怪異が続いたが,南北朝期の頃,都から落ち延びてきた忠臣藤原藤房が亡くなった乙女の霊を鎮めるため自ら弁財天像を刻み,島に祀ったところ怪異が治まったという伝説がある(東北太平記/みちのく双書3)。島の北東端に陸奥弁天島灯台がある。北緯41°07′04″・東経140°49′06″に位置し,構造物の高さ11.73m,平均水面上36m,第4等群閃白光,光度1,500カンデラ,光達距離14.5海里。昭和20年1月22日初点灯で,平館(たいらだて)海峡と陸奥湾の境界水域を照射している。当島は下北半島国定公園地域に含まれ,昭和50年2月11日に仏ケ浦とともに下北海中公園に指定された。陸上の景観や脇野沢村九艘泊(くそうどまり)の北限のニホンザル生息地は重要な観光資源となっている。付近の海域は釣りの名所でもある。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7011536