栗橋村
【くりはしむら】

(近代)明治22年～昭和30年の自治体名。権現山東部，鵜住居(うのすまい)川流域に位置する。はじめ南閉伊(みなみへい)郡，明治30年からは上閉伊郡に所属。栗林村・橋野村が合併して成立。旧村名を継承した２大字を編成。役場を橋野に設置。明治22年の戸数286・人口1,738。同23年全村一学区とし，橋野簡易小学校を栗橋尋常小学校と改め，栗林には分教場を置く。同25年本校が橋野尋常小学校，分教場が栗林尋常小学校となる。同年の戸数312・人口2,015。同年沢檜に釜石鉱山田中製鉄所栗橋分工場の建設に着手，同27年竣工，第７高炉吹入日産10t。同年青ノ木の高炉施設一切を田中製鉄所が買収。同29年巡査駐在所設置。同32年郵便局開局，栗橋衛生組合発足。同43年大洪水，山津波発生，村内の被害は甚大で，特に栗橋分工場が大被害を受ける。同44年の戸数420・人口2,813。大正３年共栄社製糸工場が創業したが，同８年休業。大正４年の戸数446・人口2,850。同５年栗橋青年会発足。同６年畜牛馬市場開設。同８年六黒見金山（明治21年創業）が休業したが，昭和10年日本鉱業により再経営。同９年の世帯数532・人口3,018。同10年栗橋分工場休山（明治42年の従業員数は427，うち男372・女55，大正８年の出銑高2,842t余）。同年産牛組合設立。同12年栗橋発電所が開設し，出力880kw，また鷲ノ滝発電所も開設し，出力560kw。同年の主要農産物は米536石・麦2,818石・大豆1,355石。同15年村立橋野青年訓練所が設立され，昭和10年村立橋野青年学校となる。昭和４年消防組が発足し，同15年警防団となる。昭和７年森林消防組発足。同10年の世帯数470・人口2,930。同13年栗林郵便局開局。同14年栗橋女子青年団も結成し，橋野・栗林に支部を置く。同15年の主要農産物は米396石・麦1,640石・大豆775石・稗1,245石・馬鈴薯１万4,550貫。同17年橋野小学校焼失。同22年の世帯数514・人口3,238。同年橋野・栗林両中学校が開校。同30年の世帯数538・人口3,591。同年釜石市の一部となり，村制時の２大字は同市の町名となる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7014438