三貫島
【さんがんじま】

三嵓島・三巻島とも書き，刈宿島ともよばれる。釜石港から北東約11km，御箱崎南端のオイデ崎から南東1kmに位置する無人島。東西約1km，南北0.5km，周囲約4km，最高点133mの東西に長い島。タブの木を主とした暖帯性植物が茂り，オオミズナギドリ・ヒメクロウミツバメ・クロコシジロウミツバメ・ウミウなどが営巣し繁殖している。ことにオオミズナギドリ（マドリ）・ヒメクロウミツバメの繁殖地として昭和10年12月24日国天然記念物に指定された。古くから伐採・渡島禁止の神聖な島で，自然景観が保護され，鳥類の楽園となる環境が残された。島名の三貫島は，魚が一度に３貫匁とれたから，三嵓は３つの岩峰のある島であることから，また，三巻は経文３巻を埋めたからなどとも伝える。三貫島神社には市杵島姫命を祀る。近くは魚の宝庫でもある。島の周囲は絶壁で，北西側に１か所島に上れる所があるが，風の強い日，波のある日には上陸できない。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7014752