日頃市
【ひころいち】

旧国名:陸奥
北上山地の五葉山の南西に位置し,東方に大窪山,南西方に氷上山がそれぞれ屹立する。五葉山に源を発する五葉川は,石橋川を合して日頃市川となり,さらに南東に流れ長安寺川・西山川を合して盛川となる。平地はこれらの川に沿って開けている。地内には遺跡が多く,縄文早期の土器から土師器まで出土する関谷洞窟,縄文早期・後期・晩期の関谷遺跡,縄文後期の上宿遺跡などがある。盛川の一支流樋口沢にシルル紀(ゴトランド紀)の石灰岩層が発見され,腕足類・石灰藻など多種にわたる化石が包含しており,シルル紀の最初の発見地,また標式地として名高い。また新沼安芸綱清の居城であった松館城址がある。城跡は八幡神社の山。神社のある北面の標高100m,東西80m・南北50m程の平場が本丸跡,その下,南面に広がる50m四方の平場が二の丸跡。本丸・二の丸の間は水路で区切られ,北側道路に面する部分は切り立った断崖となる。東西500m・南北300m(仙台領古城館)。
【日頃市村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
【日頃市村(近代)】 明治22年~昭和27年の気仙郡の自治体名。
【日頃市町(近代)】 昭和27年~現在の大船渡市の町名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7015895 |




