馬淵川
【まべちがわ】

馬淵川水系の本流。１級河川。北上山地の北端から県の北部を北流し青森県へ流れる。延長85km。県内第２の大河。本流は岩手郡葛巻(くずまき)町・二戸郡一戸町・二戸市を貫流する。源流は葛巻町樺森（1,207m）。上流域の大部分は山間部であるが，中流域に河岸段丘が発達している。両岸絶壁の景観も多く，折爪馬仙峡県立自然公園に指定されている部分もある。県境付近では標高100m以下の平坦地も見られ，流域は変化に富んだ地形・景観を形成する。支流も多く１級河川の指定を受ける河川は17河川に及ぶ。主な支川に安比川・平糠川・十文字川・二ツ石川・山形川・金田一川・小繋川・女鹿川がある。馬淵川の流域面積は多くの支流域を含め県北一帯に広がる。本流域の集落には，上流から江刈・五日市・四日市・葛巻・田部・冬部・小鳥谷(こずや)・一戸・鳥越・石切所・米沢・堀野・福岡・金田一などがある。馬淵の地名は上流に２か所あり，馬にまつわる物語も伝わる。一戸町の根反・小鳥谷・姉帯は珪化木地帯として国天然記念物の指定を受けている。二戸市の馬仙峡一帯は男神岩・女神岩を中心に景勝として知られ，九戸城跡は国史跡に指定されている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7016143