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王城寺原
【おうじょうじがはら】


加美郡色麻(しかま)町・黒川郡大衡(おおひら)村・大和(たいわ)町にまたがる丘陵台地名。地名の由来は色麻町王城寺の寺院往生寺に起因する。往生寺は法然上人の高弟金光上人がはじめ栗原郡尾松(栗駒町)に創設した浄土宗の名刹。その師法然の肖像彫刻(円光大師像)を安置し,奥羽浄土宗布教の中心的役割を果たした寺の1つ。戦国末期,大崎義隆がこれを加美郡の現在地に移し,それにちなみ,所在地も往生寺原と称した。王城寺原と改まったのがいつからかは不明。仏教臭を避けての嘉名であろう。「安永風土記」によればその広さは南北7里3丁・東西54丁7間であった。また明治14年頃から開拓民が入ったが,同42年軍の陸奥演習地として買い上げられ,昭和20年までわが国有数の陸軍演習地であった。第2次大戦後は米軍演習地,現在は自衛隊演習地となっている。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
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