福浦島
【ふくうらじま】

宮城郡松島町松島にある島名。直径330m。東側が湾入してコの字形をなす島内には温帯植物の北限のものや亜熱帯植物等，約130余種の樹木と200余種の野草が自生して天然の植物公園をつくっている。また菖蒲池付近に貝塚がある。同貝塚は縄文晩期の伝統を強く受けた東北地方弥生文化の最古式のものであるが，主体部が破壊され遺物包含層がわずかに残っているのみである。また北条時頼の松島延福寺改革を恨んだ僧たちが，彼を呪詛するために勧請した熊野三山の跡と調伏壇があったといわれる。松島八崎の１つ津ケ崎のつけ根から福浦島に架けられた福浦橋は朱塗の鉄筋コンクリートの有料橋で橋長252m・幅３m，昭和42年７月完成。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7018985