松島
【まつしま】

旧国名:陸奥
東は松島湾に面し,西に丘陵性の台地を負い,大部分の平地は谷を崩して埋め立てて作られた。昔から日本三景の1つとして知られている。県の南部と北部を自然に大きく分ける黒川丘陵(松島丘陵)が多くの断層を成して海中に沈降し,その間に海水が入り「おぼれ谷」島として分断。その上に青松が生えて形成された島々で,古来八百八島の称があるが,実際は大小260余の島々から成る。地名の由来は慈覚大師が青竜山延福寺を開山した時,1,000本の松を植えて法鎮の標としたからとも,また天永2年鳥羽院が松の苗木1,000本を贈り,雄島に植えたので,雄島を千松島と呼んだことに始まるともいう(宮城県地名考)。いずれも,千松島が松島になったとする点で一致する。たくさんの松の生えた島,千松島として,この地を訪れた人々に喧伝されこの呼称の成立を見たものであろう。千松島・松が浦島・千賀の浦などの呼称も若干意味の違いはあっても,すべて広義の松島の別称と理解できる。
【松島(古代)】 平安期から見える地名。
【松島村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
【松島村(近代)】 明治22年~昭和3年の宮城郡の自治体名。
【松島町(近代)】 昭和3年~現在の宮城郡の自治体名。
【松島(近代)】 明治22年~現在の大字名。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7019156 |




