潟尻川
【かたじりがわ】

仙北(せんぼく)郡西木村を流れる川。田沢湖から自然流出する唯一の河川。流路延長約８km。西木村鎌足(かまたり)付近で檜木内(ひのきない)川に合流。昭和15年田沢湖を水源とする生保内発電所の操業により潟尻川流出口は締め切られたが，灌漑用水確保のため，先達川から潟尻川まで湖岸沿いに導水路を引き，５月中旬から８月末まで通水している（富木友治：田沢湖）。田沢湖畔には，春山・田子ノ木・大沢・相内潟・潟尻と５集落があるが，湖水が自然に流出するのは潟尻だけ。「尻」は川尻などと同じく湖水の出口を意味すると思われる。享保年間に家５戸の記録があるが，昭和42年有料道路の開通以来，改築された浮木神社に加えて，レークサイドホテル・辰子像・駐車場などがつくられ，田沢湖観光の西玄関口としてにぎわっている。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7020443