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寒河江川
【さがえがわ】


上流部を根子(ねこ)川ともいう。村山地方北西部,延長55.7kmの一級河川。最上川の支流の1つ。朝日山地の主峰大朝日岳(1,870m)北麓に端を発し,見附川との合流点付近から河谷がひらけ段丘が発達する。見附・根子両集落付近からは東経140°線に一致して真北の方向に約10km流下し,南流する大越川を合わせ東に転ずる。逆L字形の西村山郡西川町域を貫いて寒河江(さがえ)市大字慈恩寺(じおんじ)付近を頂点とする扇状地を形成し,同郡河北(かほく)町大字溝延地内で最上川に注ぐ。流域面積478km(^2)。最上川支流のうち最長の流程をもつ。上流は大半安山岩で構成されるが,花崗岩風化物・新第三紀層の堆積岩もみられる。河川勾配・河相は不規則で変化が多い。寒河江川扇状地は山形盆地西半の一画をしめ,面上には古い城下町寒河江の市街をのせる。流路に沿う国道112号は六十里越街道とも呼ばれ,古くから出羽三山の参道としてにぎわった。沿道各所に史跡・名所が多い。また流域には明治33年操業開始の白岩発電所をはじめ4発電所があるほか,昭和堰はじめ本支流合わせて30か所余の用水施設をもち流域を潤す。中流の西川町大字砂子関・月岡・月山沢地内には建設省直轄の事業として東北最大級の多目的ダム寒河江ダムが建設され,昭和59年完成の予定。河川名は最上川との合流点付近の地名に由来する。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7025157