高畑町
【たかばたけまち】

旧国名:出羽

(近世～近代)江戸期～昭和42年の町名。明治９～22年鶴岡を冠称。江戸期は鶴ケ岡城下のうち。明治22年鶴岡町，大正13年からは鶴岡市の町名。城下の北部に位置する。城郭外の家中と給人（下級武士）の町。もとは下大宝寺村の一部で，「鶴岡昔雑談」に「当今御城内御小姓町辺ヨリ西ヲ上大宝寺ト云，高畑辺ヨリ東ヲ一円下大宝寺ト唱シ」とある。元和８年庄内に入部した酒井忠勝は，当地に高畑御殿を建て，城普請中居住した。「大泉掌故」によれば，享保・元文年間頃広大な高畑御殿屋敷に高畑と高畑裏町を町割りしたとあり，天保初年の羽州庄内鶴ケ岡絵図では家中屋敷15軒・給人屋敷12軒が見える。寺院は新義真言宗豊山派新山遍照院竜覚寺，同寺は鶴ケ岡城の祈願所で，城中より移された富士権現・新山権現などを祀るという（筆濃余理）。明治11年の一覧全図には高畑と見え，反別４町３反余，戸数70・人口387。同13年高畑裏町・新山東小路・矢場小路・最上町横道を合併。戸数・人口は同16年116・772（朝暘学校沿革誌／鶴岡市史），同43年109，689うち男327・女362（西田川郡統計表）。世帯・人口は，昭和６年231・1,083，うち男508・女575（市教育会第二回郷土調査），同30年350・1,503（男726・女777）。昭和16年市外藤原の市水道浄水場に置かれた仮放送所で放送を開始したＮＨＫ鶴岡放送所は昭和21年鶴岡放送局に昇格，同年４月高畑町に局舎を新築，４月21日放送開始。同41年ＮＨＫ鶴岡放送会館完成。大部分が住宅地域。同40年一部が上畑町・日吉町・山王町・泉町の各一部となり，同42年残余は若葉町の一部となる。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7026012