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磐城市
【いわきし】


(近代)昭和29~41年の市名。浜通り南部,藤原川・釜戸川・神白川流域の太平洋沿岸に位置する。小名浜町・江名町・泉町および渡辺村の3町1か村が合併して成立。市役所を大字小名浜に設置。大字は合併各村の旧大字の38大字と大字江名の一部から成立した大字折戸(おりと)の39大字を編成。市の中核をなす小名浜港は常磐線沿岸唯一の重要港湾で,古くから東北の門戸として重要な役割を果たしてきたが,昭和4年から国直接施行のもとに商港および漁港としての建設が続けられ,昭和13年に3,000t岸壁2バース,昭和32年に1万t岸壁1バースの完成によって外国船が数多く入出港し,外国貿易貨物の急激な増加をみせていた。これに先立ち昭和31年には国際貿易港としての指定を受け,昭和37年からは石炭専用埠頭として5,000t桟橋が完成し,常磐炭60万tが積み出された。港湾の整備とともに道路・電力・工業用水など工業立地条件の改善によって小名浜臨海工業地帯として,昭和29年新日本工業株式会社,同31年旭化成工業株式会社,同37年堺化学工業株式会社のほか,東邦亜鉛株式会社・小名浜製錬株式会社などが操業を開始した。これらに並行して中央工業団地・新小名浜工業団地などや,住宅団地としては玉川・船戸・港ケ丘団地などが建設されていった。昭和27年に発足した常磐地区開発期成同盟会は,昭和36年に成立した新産業都市建設法に向けて指定への運動を続け,昭和37年8月郡山市と一体になり,常磐・郡山新産業都市建設地区の指定を受けた。世帯・人口は昭和29年9,533・5万3,709,同40年1万4,611・6万4,899。昭和41年平市ほか3市4町5か村と合併していわき市となる。各大字は,大字泉が泉町となり,33大字が,鹿島町・小名浜・泉町・渡辺町を冠称し,他の4大字とともに同市の町名として存続。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7029108