小沼村
【おぬまむら】

旧国名:陸奥
(近世)江戸期~明治8年の村名。会津地方北部,大塩川東岸の雄国山麓に位置する。耶麻(やま)郡のうち。会津藩領。小沼組に属す。村高は,文禄3年の蒲生高目録では930石余,文化15年の村日記(県史10下)では905石余,「天保郷帳」895石余,「旧高旧領」937石余。村名の由来はむかし小沼があったことによる。端村に勝本新田がある。寛文年間までは上・下2か村あったが,のち移転して一村となったという(新編会津)。寛文5年「大塩組風土記之帳/会津風土記風俗帳1」の小沼村の条に上村と下村の名が見え,「上村ヨリ下村迄其間百二十六間」とある。寛文5年の村高998石余,年貢は金89両余・米286石余,家数46軒・竈60,人数は男136・女96(大塩組風土記之帳)。化政期の家数48軒,勝本新田15軒(新編会津)。村の西部に社倉3棟がある。村内を出羽国米沢へ通じる裏街道が通り,会津藩から下された掟条目の高札がある。神社は諏訪神社・稲荷神社。寺院は浄土宗往生山安養寺。明治8年辻村・金沢村と合併して新合(しんごう)村となる。

![]() | KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7029851 |