100辞書・辞典一括検索

JLogos

49

国道
【こくどう】


 国道4号 東京都と青森県青森市を結ぶ。総延長791.5km,県内延長8.1km。管理は建設省。東北日本の中央部を貫く主要幹線道路で,国鉄東北本線とほぼ並行し,県都宇都宮・福島・仙台・盛岡各市が沿線に連なる。江戸期の奥州街道・日光街道,明治期の陸羽街道にあたる。県内の経路は利根川に架かる利根川橋で埼玉県栗橋町から本県に入り,古河市,総和町を通って栃木県野木町に至る。市街地を避けて,旧日光(奥州)街道の東側を通るが,近年の自動車交通量の増加は激しく,再び新国道4号バイパスを建設中。 国道6号 東京都と宮城県仙台市を結ぶ。総延長360.8km,県内延長137.8km。管理は建設省。北関東・東北地方南部太平洋岸の主要幹線道路で,国鉄常磐線とほぼ並行する。江戸期の水戸(江戸)街道・岩城相馬街道(明治5年から陸前浜街道)にあたり,明治9年国道となり,同18年水戸以南を第14号国道(東京街道),以北を第15号国道(宮城県街道)とされ,大正9年に国道6号となった。主な経路は利根川に架かる大利根橋で千葉県我孫子(あびこ)市から取手市に入り,関東平野の東部にあたる常総平野を北上して土浦・石岡・水戸・勝田各市を通過し,さらに,久慈川を渡って多賀山地と太平洋に挾まれた帯状の海岸段丘上を日立・高萩各市など本県の主要都市を結んで,北茨城市から福島県いわき市に至る。本県道路交通網の中軸をなす最も重要な道路。沿道付近は都市化・工業化の進んだ地域で,東京および東北と結ぶ大動脈。そのため,早くから整備され,日立市や建設中の土浦市を除くとバイパスはほぼ完成したといえるが,近年はまた自動車の渋滞が目立ってきている。現在特に問題となっているのは日立市で,バイパス建設の余地が少ない。 国道50号 群馬県前橋市と水戸市を結ぶ。総延長141.1km,県内延長64.2km。管理は建設省。北関東の内陸部と海岸部を結ぶ重要道路で,国鉄両毛線・同水戸線にほぼ並行する。江戸期の結城街道にあたる。本県内は栃木県小山市から結城市に入り,下館市では鬼怒(きぬ)川に架かる川島橋を渡って市街地を通り,工業団地やビニールハウスの点在する協和町を経て,鶏足(とりあし)山塊南部の岩瀬・笠間各盆地をそれぞれ市街地の北側をバイパスで通過,友部町・内原町から水戸市に入り,大工町・泉町・南町の中心街を通って水戸駅前に達する。沿道はおよそ農業地域であるが,産業・観光道路としても重要。 国道51号 千葉県千葉市と水戸市を結ぶ。総延長125.8km,県内延長73.7km。管理は建設省。古くは鹿島参宮や水郷観光でにぎわった街道で,鹿島灘沿岸の農漁村を結ぶ道路でもあったが,現在は,鹿島臨海工業地帯と県都水戸および首都東京を結ぶ重要道路。県内の路線は利根川下流に架かる水郷大橋で千葉県佐原市から東町に入り,常陸利根川の北利根橋を渡って潮来(いたこ)市などの水郷地帯を経て,北浦の神宮橋で鹿嶋市に入り,大洋村・鉾田(ほこた)町・旭村と鹿島台地の太平洋岸の農村を北進,大洗町の原子力研究施設の東を通過して涸沼(ひぬま)川を渡り,旧常澄村の水田地帯を貫いて水戸市の旧下市に入り,水戸第一高校下の旧水浜電車の軌道跡を利用して水戸駅前に達する。鹿島~水戸間は江戸期の飯沼街道に相当し,現在,当道とほぼ並行に国鉄鹿島線の建設が進められている。 国道118号 水戸市と福島県郡山市を結ぶ。総延長140.0km,県内延長は63.3km。県内の管理は県知事福島県中通りと結び,県北山間地帯の主要路で昭和28年国道認定。水戸市の水戸郵便局前を起点に,金町・末広町通りを通って那珂川を千歳橋で渡り,那珂町・瓜連(うりづら)町・大宮町など那珂台地の農業地域を通過し,山方町から久慈川峡谷沿いに大子(だいご)町を経て,福島県矢祭町に入る。瓜連町以北は国鉄水郡線にほぼ並行する。江戸期の南郷街道にあたるが,改修工事も進み,直線化されてきている。特に久慈山脈と八溝山地の間を流れる久慈川中流部は蛇行が激しく,変化に富む山容と河岸段丘が展開し,川の流れに沿って曲路となっていたが,西金(さいがね)大橋・奥久慈橋など多くの橋が架けられて短縮化された。市街地を避けて瓜連と大子の一部ではバイパスが完成し,大宮と大子町下野宮では建設が進んでいる。沿道には奥久慈県立自然公園があり,観光道路としても重要。 国道123号 栃木県宇都宮市と水戸市を結ぶ。総延長73.8km,県内延長は32.7km。県内の管理は県知事。那珂川に並行し,栃木・茨城両県の那珂川流域を結ぶ主要な道路で,昭和37年国道認定。栃木県茂木(もてぎ)町から那珂川を越えて御前山村に入り,鷲ノ子(とりのこ)山塊と鶏足(とりあし)山塊を分ける那珂川峡谷部を通って那珂川大橋を渡り,桂村・常北町の水田・畑作地帯を経て水戸市末広町に至る。御前山村~水戸間は江戸期の那須街道にあたる。旧茨城鉄道の軌道跡を利用してバイパスを建設した地区もある。沿道には御前山県立自然公園・青少年旅行村がある。 国道124号 千葉県銚子市と水戸市を結ぶ。総延長120.4km,県内延長約119kmのうち約75kmは国道51号と重複,残りの43.6kmは県知事が管理。昭和28年国道に認定。銚子市から利根川河口に架かる銚子大橋で県内に入り,波崎町・神栖(かみす)町の砂丘地域を利根川沿いに通り,鹿島港の西側を経て鹿嶋市で国道51号に接する。沿道には銚子港,波崎港,息栖神社,砂丘のピーマン・スイカ・メロン栽培などの園芸農業地域がある。特に鹿島臨海工業地帯が造成されてからは交通量が急増し,水郷有料道路もできて石岡・土浦方面との結びつきを強めている。 国道125号 千葉県佐原市と埼玉県熊谷市を結ぶ。総延長131.5km,県内延長は88.1km。県内の管理は県知事。昭和28年国道認定。県内は東町で国道51号と分かれ,桜川村・江戸崎町・美浦(みほ)村・阿見町と利根川沿岸低地,霞ケ浦南西岸の日本有数の早場米地帯を経て,県南の中心土浦市に入る。さらに西行して筑波山塊の南側を新治(にいはり)村・つくば市北部を通って下妻市に達し,鬼怒(きぬ)川に架かる鬼怒川橋を渡る。八千代町・三和(さんわ)町・総和町など常総平野西部の豊かな農村地域を通過して,県西端の古河市で国道4号に接続する。この地方は古くから川と湖の水運で栄え,早くから小都市を発達させた。それらの小都市を結びつけているこの国道は東京都心部からほぼ60kmの同心円の線上にあたる。鹿島灘の海岸部と関東地方の内陸部をつなぐ道路としても価値は大きい。 国道245号 水戸市と日立市を結ぶ。総延長42.6km。県北東部の太平洋沿いを結ぶ道路で,国道6号のバイパス的性格が強い。昭和31年国道認定。水戸駅前を起点とするが,旧常澄(つねずみ)村までは国道51号と重複し,それ以外の路線は県知事が管理。国道51号から分岐して那珂川に架かる湊大橋を渡ってひたちなか市に入り,市街地の北側を経て農村部を通過する。東海村の村松虚空蔵や日本原子力研究所などの西を通り,久慈川河口の久慈大橋を渡ったのち日立市に入る。日立市では太平洋沿いに日立港,水木・会瀬(おうせ)などの漁港や日立製作所の多賀・国分(こくぶ)・海岸各工場をたどって,鹿嶋市で国道6号に合する重要な産業道路。ひたちなか市馬渡~日立市石名坂間は古代・中世の浜街道が通っていたところで,国道245号の一部はこの路線を受け継いでいる。 国道293号 日立市と栃木県足利市を結ぶ。総延長169.3km,県内延長は52.2km。県内の管理は県知事。昭和44年国道認定。日立市留(とめ)町の日立港近くを起点に国道245号と分かれ,国道常磐線をくぐって,久慈川低地を日立電鉄線に並行して北西に向かう。里川を渡ってから,国鉄水郡線常陸太田駅前で国道349号と交差し,久慈山脈南端の西山荘脇を通過して金砂郷(かなさごう)町に入る。山田川・久慈川を渡って大宮町の市街地で国道118号と交差,さらに水郡線と交差して鷲ノ子(とりのこ)山塊中の緒川村・美和村を経て鷲ノ子山南部の標高278mの鞍部を越え,栃木県馬頭町に入る。難所であった白岩(しらや)峠がトンネルで通過できるようになるなど,全般的に整備され,北関東の流通基地日立港と内陸部を結ぶ国道として重要性が増してきている。 国道294号 千葉県柏市と福島県会津若松市を結ぶ。総延長257.0km,県内延長は64.1km。県内の管理は県知事。県西部の主要道路で,昭和44年国道認定。県内路線は取手市市街地で国道6号と分かれ,守谷町・谷和原(やわら)村・水海道市・石下(いしげ)町・千代川村・下妻市・関城町を通り,下館市を経て栃木県二宮町に至る。谷和原村で常磐自動車道,下妻市で国道125号,下館市で国道50号・国鉄水戸線と交差する。 国道349号 水戸市と宮城県柴田町を結ぶ。総延長264.3km,県内延長53.7km。県内の管理は県知事。昭和49年国道認定。水戸地方気象台付近の水戸市五軒町を起点に那珂川を万代(よろずよ)橋で渡って国鉄水郡線と並行し,那珂町から幸久橋で久慈川を渡って常陸太田市に入る。国道293号と交差してから市街地東側の水田の中をバイパスで通過し,瑞竜(ずいりゆう)山の東を通って里川の谷を日立市西部・里美村と北上し,明神峠を越えて福島県矢祭町に至る。江戸期の棚倉街道にあたり,常陸太田市以南は那珂台地や那珂川・久慈川低地,以北は多賀山地と久慈山脈の間を流れる里川の谷を通り,県北の平野部と山間部を結んでいる。 国道355号 千葉県佐原市と笠間市を結ぶ。総延長74.2km,県内延長65.8km。県内の管理は県知事。昭和49年国道認定。潮来市までは国道51号と重複するが,そこから分かれ,霞ケ浦東岸を麻生町―玉造町―小川町―玉里村―石岡市と北上し,さらに筑波山塊東側山列の東部山麓線を美野里町・岩間町・友部町を経て笠間市に至る。なお,玉造~石岡間は鹿島鉄道線,石岡~友部間は国鉄常磐線,友部~笠間間は国鉄水戸線がそれぞれ並行する。霞ケ浦と北浦に挾まれた地域は鉄道を中心とした主要陸路網から離れていたが,今は自動車交通の発達と鹿島臨海工業地帯や成田空港の造成により,これらと県中央部を結びつける主要道路の1つとして重要。 国道408号 つくば市と千葉県成田市を結ぶ。総延長59.8km,県内延長48.5km。本県内の管理は県知事があたる。つくば市・茎崎町から筑波研究学園都市を北端から南端へと縦貫して牛久市に入る。江戸崎町・新利根町・河内町を経て,長豊橋で利根川を渡り,成田市に入る。旧谷田部町で常磐自動車道,牛久市で国鉄常磐線・国道6号と交差する。成田空港と筑波研究学園都市を結ぶ道路として重要。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7037049