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伊王野
【いおうの】


旧国名:下野

八溝山塊の西山麓と三蔵川・黒川・奈良川に挟まれた丘陵や河岸段丘上に位置する。地内には赤坂西丘北・行人塚・何耕地(いずこうち)などの縄文時代の遺跡をはじめ約40か所の遺物出土地がある。また弥生時代以後の土師・須恵器片出土地も数か所あり,古代集落跡と思われる遺跡もある。古代における東山道の通過地であり,本地域の一部と付近に「延喜式」などにいう黒川郷を想定する説もある。鎌倉期の前半頃那須頼資の次男,次郎資長が当地に分知され,伊王野氏を称して居館を構え,以来中世を通じ,さらに江戸期の寛永10年の改易までの本拠である。字河原町に面積が50haに及ぶ山城の伊王野城跡,字古町には伊王野館跡がある(県の中世城館跡)。
伊王野郷(中世)】 鎌倉期~戦国期に見える郷名。
伊王野村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
伊王野村(近代)】 明治22年~昭和29年の那須郡の自治体名。
伊王野(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7040612