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【いずみ】


旧国名:下野

荒川と松川によって形成された沖積地に位置する。西部は山地をなすが,その他は平地で,松川がほぼ中央部を流れる。地名の由来は,地内各所で泉水が湧出したことによる(旧県史)。下の山の北端には小規模な古墳がある。江戸期にまとめられた「氏家宿古記録集」や「氏家記録伝」などによれば,当地は中世に「氏家二十四郷」の1つであったという。中世に当地は氏家郡内の郷村の1つで,氏家氏・宇都宮氏の支配下にあったと考えられる。地内の琴平山には,宇都宮氏の被官泉氏の居城と伝えられる泉城があり,永禄年間に泉直任が築城し,天正14年塩谷義綱の老臣岡本讃岐守に攻められ,滅亡したという。「宇都宮興廃記」によれば,康暦2年正月の小山義政との裳原合戦に,宇都宮方として泉五郎・泉三郎の名が見え,天正13年の薄葉原合戦で,泉五郎直任は塩谷義綱の被官として那須資晴と戦っている(宇都宮市史)。また,「今宮祭祀録」によれば,今宮神社の祭礼に際して,泉郷からは天正12年に大和田左馬之助が頭役を勤仕したという(西導寺蔵)。
泉村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
泉(近代)】 明治22年~現在の大字名。




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「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7040660