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御前原城
【ごぜんばらじょう】


中村城ともいう。中世の城。矢板市早川町御前原に所在。県史跡。国道4号矢板バイパスの西側にある平城。昭和40年まで原形を保っていたが,道路建設や工場誘致によって二の丸・三の丸跡が破壊され,現在は本丸跡を残しているにすぎない。築城年代は定かでなく,一説には正和4年に塩谷頼安が築いたといい,また治承・寿永年間に堀江左衛門尉頼純が築城したともいう。「下野国誌」の塩谷系図に,塩谷頼業の孫泰朝は「塩谷郡中村ノ城主」と記されているので,川崎城(塩谷城)の城主塩谷氏と深い関係にあったことは確かである。のち塩谷氏は本家宇都宮氏と争って長禄2年断絶し,その後再興されたが,天正18年豊臣秀吉の関東入部に伴い,宇都宮由綱は背いて奥州に逃れているので,このころ当城は川崎城とともに廃されたと思われる。城域は東西約400m・南北約700mに及ぶ長方形を呈していたが,現存する本丸跡は東西177m・南北184mの方形郭である。ここに二重の土塁が囲繞し,内側の土塁は幅10m・高さ3.5mで,その外側に幅16m・深さ約6mの空堀がみられる。本丸の中にも高さ約1mの土塁を築いて内部を区画し,その中央には麻疹地蔵と呼ばれる座像の石仏を祀る堂が建っている。石仏には,天文15年に塩谷孝綱が死去したので,その子由綱が同18年に建立した旨の銘が刻されている。本丸の西と北には虎口があり,土塁脇には井戸跡がみられる。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7041845