寒桜山
【かんざくらやま】
多野郡鬼石(おにし)町にある山。標高593m。神流川の支流三波川の中流付近に位置する。もとは山頂に虚空蔵菩薩の板碑があることから虚空蔵山と呼ばれていた。明治41年当時の村長が村民と話し合い,日露戦争の戦勝記念として虚空蔵山頂の5haを公園化し,桜の苗を1,000本を植えてから桜山といわれるようになった。200本ほどのコバザクラが初冬咲くので有名になり,昭和12年に国の名勝天然記念物に指定された。昭和48年3月付近に発生した山火事によりほとんど焼失してしまったが,苗木によって補充し3,200本ほど植えられ,現在の姿になる。毎年12月1日に桜山祭が行われる。地元住民をはじめ県内外から訪れる人でにぎわう。開花期は11月上旬から12月中旬で,その時期には売店も並ぶ。また山頂付近には冬桜のほか,春の吉野桜1,200本,椿5,000本,ツツジ4,000本が植えられ,四季を通じて自然を楽しめる公園になっている。
| KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7045169 |