吉田
【よしだ】

旧国名:武蔵

県西部，上武(じようぶ)山地，吉田川・赤平(あかびら)川・太田部川流域の山間地に位置する。地名の由来は葭・芦の自生する田が多く葭田・芦田と呼ばれたことにより嘉名の吉田に改められたという（秩父志／埼玉叢書１）。秩父氏は秩父(ちちぶ)郡中村郷（現秩父市）に居住したが，武基が秩父牧(ちちぶのまき)別当に任ぜられてからは吉田馬方に移り，武綱・重綱・重弘・重能と５代にわたり吉田郷に住した後，畠山（現嵐山(らんざん)町）に移ったという（秩父志／埼玉叢書１）。現在の吉田小学校（大字下吉田）が秩父氏の居館跡（吉田館）に比定され，県旧跡に指定されている。当地には先土器期の安中遺跡，縄文期の集落跡や彦久保岩蔭遺跡，弥生期の遺跡や五領古墳群・太田部古墳群などの後期古墳群等の遺跡が多数存在する。
【吉田名(古代)】　平安期に見える名【みよう】の名。
【吉田郷(古代)】　平安末期から見える郷名。
【吉田町(近代)】　昭和３～31年の秩父郡の自治体名。
【吉田町(近代)】　昭和31年～現在の秩父郡の自治体名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7052512