弁天島
【べんてんじま】

鴨川市磯村の鴨川港の沖合約400mにある円形の島。周囲約500m。南房総国定公園鴨川松島のうちの１つ。斑糲岩と玄武岩からなり，標高40mのうち下部25mは岩壁。北側にはほぼ東西方向の断層がある。島内には弁財天を祀る厳島神社がある。言い伝えでは元禄年間の大津波で御神体を流失したが，宝永元年頃発見されて再び祀られ，宝暦５年本社を造営したという。60年ごとの癸巳３月に開帳して大祭を行い，磯村の海岸から満艦飾にした船を横に並べた船橋を渡って参詣する。最近では昭和28年４月10日から13日間行われた。島にはラセイタソウ・イソギクなどの海浜植物やボウソウマサキ・タブノキなどが自生する。鴨川港の防波堤から島まで橋が架かり，磯釣り客でにぎわう。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7056979