葛葉峠
【くずばとうげ】

蒲原峠ともいう。糸魚川(いといがわ)市の南部，長野県境付近にある峠。標高約400m。国道148号が通り，県境主稜上の一難場山すその北東鞍部に当たる。北は急坂，南は緩やかで，県境の蒲原沢に架かる国界橋を渡ると長野県小谷村。峠名はクズの群生地に由来。上杉謙信が武田信玄に塩を送った塩の道の難所。近世松本藩向けの越後産北塩の通り道であった。急坂の途中に塩を運んだボッカと牛が木陰に休んだと伝えるトチの大木がある。峠一帯は県天然記念物のクモマツマキチョウ・ヒメギフチョウの生息地。峠の南に蒲原温泉，北に白馬・姫川温泉などがあり，頂上から一望できる。現在，峠では両県をつなぐトンネル工事が進行。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7072662