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小滝
【おだき】


旧国名:越中

阿尾(あお)川最上流の谷の山間部に位置。地滑り多発地帯。北は400~500mの山脈を境にして石川県鹿島(かしま)郡と接する。県境の荒山峠は,越中と能登とを結ぶ最も重要な幹線道路であり,古来,軍事上・経済上重大な役割を果たしてきた。しかし海抜が高く急峻なため,明治後期以後,汽車や自動車が普及するにつれて利用者が少なくなり,衰微した。小滝村の東北方4kmの石動山にはかつて天平寺があり,中世の盛時には360坊が繁栄したという。小滝はその登山口七口の1つで,荒山口と呼ばれた。天正10年6月,石動山天平寺の衆徒は,畠山氏遺臣と結び,上杉景勝の応援を得て前田利家に反抗した。利家は僧兵を討伐し撃破したが,その主戦場は荒山峠から石動山に至る尾根道であったことから荒山合戦と呼ぶ。この尾根道の中間に大芝峠・小芝峠があり,ここでも激戦が行われた。合戦に備えて天平寺僧兵らは,荒山峠に近く荒山砦を急造して防衛の拠点としたが破られ,天平寺は炎上,全滅した(荒山合戦記・氷見市史・石川県史)。
小滝村(近世)】 江戸期~明治22年の村名。
小滝(近代)】 明治22年~現在の大字名。




KADOKAWA
「角川日本地名大辞典」
JLogosID : 7080534