北野
【きたの】

旧国名:越中

礪波(となみ)平野の南東部の段丘地に位置する。地名の由来は，中世の頃，能美(のみ)郷の北部の原野を開いたのでつけられたかと思われる。しかし，この地の鎮守の天満宮社は，その昔，山城国北野の天満宮の分霊を勧請したと伝えているから，そのゆかりによる地名ではなかろうか（北野郷土誌）。また，この地域の字名に，北野のほか，二日町・長楽寺・吉松・菊我（賀）・次郎丸の５集落がある（三州地理志稿）。これらはいずれも中世の名残を示すものであろう。二日町は２の日の三斎市場が開かれたことを，長楽寺は倶利伽羅山(くりからやま)にあった真言宗寺院の長楽寺との関係を，次郎丸は名田主を，吉松と菊賀は武人の支配を思わせる。また，明暦の頃は，北野・次郎丸・長楽寺の３集落を主にして，北野３か村の名で記された（明暦二年越中利波郡村御印之留）。古来，この北野は大村で，能美郷の本郷であった（越中志徴）。
【北野村(近世)】　江戸期～明治22年の村名。
【北野村(近代)】　明治31年～昭和27年の東礪波【ひがしとなみ】郡の村名。
【北野(近代)】　明治22年～現在の大字名。

KADOKAWA 「角川日本地名大辞典」 JLogosID : 7081032